COLUMNコラム

甘くとろける食感!高級魚・福島のノドグロを味わおう

2023.01.31

「ノドグロ」(標準和名:アカムツ)といえば、全国的に知名度の高い高級魚だ。北陸の魚というイメージがあるかもしれないが、福島県でも水揚げされる「常磐もの」の一員。

ノドグロは季節を問わず脂のりが良く、“白身のトロ”と称される甘く柔らかい身が特徴。調理法は様々で、刺身や煮付けはもちろん、干物や塩焼き、しゃぶしゃぶにしても美味しい。

※福島県では、ユメカサゴをノドグロと呼ぶことも多い。本記事におけるノドグロとは、アカムツのこと。

「ノドグロ」と呼ばれる通り、口の中が黒い

とろける食感と甘み

石井光一さん。釣りが好きで、自身が釣った魚をお店で出すことも

常磐ものを多く取り扱う地元の飲食店でも、いつでもノドグロを食べられるわけではない。高級魚であること、そして水揚げ量の関係もあって仕入れが難しいそうで、いわき駅近くの海鮮料理店『おもてなしどころ 光亭』でも「たまにしか出せない」そう。

なかなか食べられないという希少性もあってか、ノドグロ料理は同店でも大人気メニュー。仕入れるとすぐに注文が入るという。ノドグロの魅力について、店主の石井光一さんに話を聞いた。

皮を炙ることで香ばしい風味が広がり、脂が出てとろける食感に
炙り刺し。甘く柔らかで、口の中でとろけてしまう

また、『光亭』ではノドグロの煮付けも人気だ。柔らかな身にタレの味が染み込み、コクのあるしっかりした味わいを感じられる。絶妙な甘じょっぱさで、ついついお酒が進んでしまいそうだ。

ノドグロの煮付け。脂が多いので火を入れてもふっくらとした仕上がり

釣り好き店主が手掛ける『光亭』

お客さんから希望があれば、寿司を握ることも

『光亭』がオープンしたのは、2012年。2019年に、いわき駅付近の繁華街に移転したそうで、昔からの常連も多い。 こだわりは、その日仕入れた魚をメインに、お客さんからの要望に応じ柔軟に料理を提供すること。和食が中心だがペンネやナポリタンなど洋食もあり、特に〆のオムライスは長年のファンが多い人気メニューだ。

石井さんは毎週釣りに行くほど釣り好きで、元々は釣り船店を開業しようとしていた。東日本大震災の前日も、その準備のため船の免許を取得しに出かけていたという。当時は仕出し専門店で料理長をしていたが、震災後しばらくして退職。釣り船店ではなく、「自分が釣った魚を出せる店」を開いた。大事にしているのは、“新鮮な旬の魚”を提供すること。自ら市場に買い付けに行き、常磐ものを中心に仕入れている。

常磐ものについて石井さんに尋ねると、「地元の人も常磐ものを食べることを望んでいると思う」という言葉が。観光で訪れた人からも「地元の魚を食べたい」という声を聞くことが多いそう。日々お店に立ちお客さんと会話する中で、常磐ものの需要を肌で感じているようだ。

 

 

●おもてなしどころ 光亭

・住所:福島県いわき市平字田町26

・営業時間:17時~22時

・定休日:日曜